宮澤賢治「鹿踊りのはじまり」朗読カフェ 喜多川拓郎 津田一真 酒井春奈朗読
宮澤賢治「鹿踊りのはじまり」朗読カフェ 喜多川拓郎 津田一真 酒井春奈朗読
この春、小学校に入学したばかりのお子様の滑舌が心配と言うご両親。
自分の名前がはっきり言えない、と言うのです。
お名前は「ここ」ちゃん。可愛らしいのですが、「ここ」が「とと」に聞こえると、お父さんは深刻な表情です。
「こ」も「と」も破裂音です。
舌の弾く場所が、軟口蓋か、歯茎(硬口蓋)かの違いです。
最初、名前を聞いても、いやがって言わなかったのですが、他の話をしている内に徐々に舌も動いて、
ととがここに近づいて、ほとんど問題ない事がわかりました。
この時期、多少音が甘くなってもそれはそれで、子供らしいので、心配するお気持ちは分かりますが、あまり神経質にならない方がいいのでは思いました。
言葉を発するのをためらうようになったのでは、気の毒です。
お喋りを楽しむお子さんに育って欲しいです。
これは破裂音同士の話ですが、こちらは鼻音
先日、きたろうさんが「阿佐ヶ谷姉妹」と言うつもりで「阿佐ヶ谷死骸」と発音したと
大竹まことさんにラジオ番組で突っ込まれていました。
こちらは、し「ま」い と し「が」い(鼻濁音)です。
どちらも、鼻音で、違いは、開閉する場所が唇か軟口蓋かです。
口唇筋が弱くなって、唇の締まりが悪くなっているのではと心配になります。
「こ」と「と」 「ま」と「が」のいい間違い、
どちらも年齢相応で、それなりに可愛いと言えなくもありませんが。
江戸川乱歩「木馬は廻る」 朗読カフェ喜多川拓郎朗読
時間39.53
登録日 May 21, 2019
ラッパ吹き 格二郎 の 恋心
面白いので、そのまま公開しました。40分あります。お時間のある時に聞いて下さい。
「ここはお国を何百里、離れて遠き満洲の……」
ガラガラ、ゴットン、ガラガラ、ゴットン、廻転木馬は廻るのだ。
今年五十幾歳の格二郎は、好きからなったラッパ吹きで、昔はそれでも、郷里の町の活動館の花形音楽師だったのが、やがてはやり出した管絃楽というものに、けおされて、「ここはお国」や「風と波と」では、一向雇い手がなく、遂には披露目やの、徒歩楽隊となり下って、十幾年の長の年月を荒い浮世の波風に洗われながら、日にち毎日、道行く人の嘲笑の的となって、でも、好きなラッパが離されず、仮令離そうと思ったところで、外にたつきの道とてはなく、一つは好きの道、一つは仕様事なしの、楽隊暮しを続けているのだった。
宮沢賢治「紫紺染について」 朗読カフェ喜多川拓郎朗読
時間 17.58
登録日May 13, 2019
なんと、母乳代わりにお酒で育った山男が出てくるお話。
滑舌について
私が講師をしている「声の教室」では、滑舌に悩む多くの方からの相談が寄せ
られます。
ちょっと前、中学生のお母様から、メールが届きました。お子さんが滑舌に悩
んで、学校に行きたくないと言っているので、会って欲しいというのです。
お会いして舌をベ~と出してもらうと、先端がハート状になります。「舌小帯
短縮症」です。歯医者さんに相談するようにお願いしてお帰りいただきました。
一月後、手術したと言うので見せてもらうと、それほど変わっていません。再
度別の歯医者さんで手術をする事になりました。そして、さらに一月後、舌は良
くなったけれど、滑舌の悩みは解消されないと言うので、レッスンをする事にな
りました。舌小帯短縮症の人は、舌の先端が上手に使えません。ラやタの音が曖
昧に聞こえます。もともと舌が硬口蓋に届かないのに、滑舌を良くしようと口を
はっきり大きく開こうとするので、ますます甘くなります。また舌小帯は、手術
しても絶えず伸ばしていないと、元に戻って繋がってしまうそうです。(以前滑
舌レッスンを受講した、歯医者さんから聞いた話です)手術をしても、舌の動き
が良くなるわけではないので、トレーニングが必要です。ラ、タ、スだけでなく
母音のイやウの発音で舌の先端が下がりがちです。
舌の位置と姿勢
滑舌相談に来た先ほどの中学生は、とても姿勢が悪いのです。
舌の位置が硬口蓋に対して下がっていると書きましたが、舌の位置を硬口蓋に
つけるようにトレーニングして、前後の姿勢を比較すると驚きました。
背筋を伸ばす、お腹を張る、等様々な猫背矯正法がありますが、ワンポイント
で、これほど違うとは、吃驚しました。
通常、舌は硬口蓋についているはずなのですが、もし普段の舌の位置が下顎に
ついている人は、是非試してみて下さい。鼻呼吸も楽になるはずです。
日本語のアクセント
改訂された、最新NHKのアクセント辞典では、1音節目と2音節目の違いを特に表記し
ない事になり、これまでなじんできたアクセントの記号が変わりました。
その理由
1 日本語は、例外なく1音節目2音節が違う。
2 大きく変化しない場合がある。例としてあげられていたのが、「変な男の子」と続
く場合の、「男の子」のアクセント。
1音節目と2音節目の高低差は、一定ではありません。ここに読み手側からの様々な
情報が含まれています。
例えば、
1 「この電車は○○駅には止まりません。」
2 「この電車は○○駅に止まります。」
「この電車は○○駅に」までは全く同じ文言です。
語尾が、違うだけです。
併し、これを声にすると、「この電車は」の言い方が、全く違うのです。
つまり、「この電車は、」の言い方に、止まるか、止まらないかの情報が、既に含ま
れているのです。
聞き手は、それを感じているのです。
日本語は「係り受け」が難しいと言われますが、「係る」言葉を発したときに、「受
ける」言葉の情報も一緒に発信されるのです。
それを無視した、朗読や音読に、聴き手がストレスを感じるのはそのためです。
綺麗に発音しようとか、正しく発音しよう等と考えて音読すると、肝心な情報が失わ
てしまうと考えています。
AIが身近になって、音声で会話できるようになりました。
そのうち朗読もするようになるでしょう。
負けないようにしたいと思います。