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朗読のページ 名作文学の朗読



太宰 治作品

「葉桜と魔笛」LinkIcon「灯籠」

桜が散って、このように葉桜のころになれば、私は、きっと思い出します。――と、その老夫人は物語る。――いまから三十五年まえ、父はその頃まだ存命中でございまして、私の一家、と言いましても、母はその七年まえ私が十三のときに、もう他界なされて、あとは、父と、私と妹と三人きりの家庭でございましたが、父は、私十八、妹十六のときに島根県の日本海に沿った人口二万余りの或るお城下まちに、中学校長として赴任して来て、恰好の借家もなかったので、町はずれの、もうすぐ山に近いところに一つ離れてぽつんと建って在るお寺の、離れ座敷、二部屋拝借して、そこに、ずっと、六年目に松江の中学校に転任になるまで、住んでいました。

山田 レイコ
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日本演技アカデミーから劇団芸協 同人会を経て、劇団櫂の旗揚げに参加。その後、岡本 一彦氏との出会いにより、劇団を離れ仲間と共にレッスンを開始。また故高橋 博氏に朗読を師事し、加えて日舞、バレー、義太夫を学ぶことでひとり舞台の基礎をつくる。
1989年から、「山田 レイコ ひとり舞台」を国立演芸場にてスタート。
1999年度文化庁芸術祭演芸部門で優秀賞を受賞。広島出身

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